« あ野麦峠 | トップページ | ヘルメットでもかぶって外に一切煙漏れな »

2017年8月16日 (水)

信田先生のこと1

人と人は出会うべくして出会う。

あの時、あの人に出会ってなかったら、きっと違う人生を歩んでいただろう。
誰しも何人かそんな人がいるものです。
小学校6年生の担任、信田富征とみゆき先生がその一人でした。

学級園のサツマイモを収穫前日に掘り返して食べ、その罪をイノシシになすりつけたり、
級友の版画を空手チョップでみんな割ってしまったり、検便に犬の糞を提出したり。
お茶目な大原少年は怒られてばかりいたので、学校が嫌い、教師が大嫌いでした。
先生にだけはなりたくない。当時の私は固く心に決めていました。

ある日、いつものように説教されていた私は信田先生にこう言い放ちました。
金のために働いてるくせに偉そうなことを言うな。
思い出すだけでも恥ずかしい、嫌な子どもだったのです。

怒鳴られるのを覚悟していた私に信田先生は静かに言いました。
金を儲けようと思ったら別の仕事してる。
夏でも冬でも同じ背広、食事はご飯に缶詰、痩せて小柄だった先生の言葉は説得力がありました。こんな先生もいるんや、こんな教師にならなってもええかな。心が動いた瞬間でした。

その後も信田先生はやんちゃな奴の気持ちがわかるお前はきっといい先生になれる。
そう言い続けてくれました。その時はそんなもんかなぁ。と半信半疑でしたが、心に小さな火を点けてくれたことは間違いありません。

人生は不思議です。
教師にだけはなりたくなかった私が、それを仕事として39年間勤めあげたのですから。

実は物語はこれで終わりません。
教員になった私は4年後に信田先生と再会することになります。続く

« あ野麦峠 | トップページ | ヘルメットでもかぶって外に一切煙漏れな »